お酒をやめてから敏感になったもの、それは味覚と嗅覚です。特に化学調味料の味と臭いには我慢ができず、朝のミニサラダのドレッシングも、オリーブオイルと千鳥酢、天然塩、黒胡椒などを目分量で合わせて手作りしています。プランターで育てている大葉を細切りにして混ぜるのが目下のお気に入り。夏バテ予防に、夜は磨り下ろしたニンニクも混ぜています。
独り暮らしだし、時間のないときにインスタント食品は便利なのですが、妥協して美味しくないものを食べてしまったという後悔の念に駆られます。
日本女性の平均寿命は87.05歳。一日3食で計算すると食事の回数は約95,000回に及びます。私にはその1/3しか残っていないし、年老いたら流動食になる可能性を考えれば、一回一回の食事内容をおろそかにできないと思うのです。
そこで今日はキッチン戸棚の断捨離。カレーやパスタソースといったレトルト食品は捨てることにしました。
温めて封を切ったとたんにモアッとくる、独特のレトルト臭が鼻について気持ち悪くなるのです。あれは加圧加熱殺菌による臭いだそうですが、それを消すための化学調味料や香料が沢山添加されています。ほとんどのレトルト食品に入っているのが「酵母エキス」なるもの。加工食品に旨味を出すために使われています。
酵母エキスとは、産業廃棄物だった食品の残りカスに含まれる蛋白質に、酸や酵素などを加え人為的にアミノ酸を作り出した調味料。主にビールの製造過程で容器の底に残った廃液を利用するのだそうです。毒性はなくても原料はどうなんだ?と不安になりました。
味覚と臭覚が研ぎ澄まされると、食品の安全性が動物的な勘で分かるようになります。原料と製造過程が目に見えるものを食べたいから、ファストフード店にも行きません。山と海の生鮮食材、四季折々の旬の食材に恵まれた日本で、インスタント食品を食べるなんて、人生の楽しみを半分捨てているような気がしませんか。