先日は久しぶりに、六本木へ夜遊びをしに出かけました。カジュアルな服装でOKだったので、ボトムスはジーンズを履いて行ったのですが、地下鉄から降りて出口へ向かう途中で、いたたまれない気分になりました。それはジーンズの裾がブーツカットだったから。まるで自分が昭和の時代からやって来たお上りさんに思えたのです。
アフター5の六本木交差点は、今どきのおしゃれをした人たちでいっぱい。ビジネスマンだけでなく、ジーンズ姿の学生も沢山いましたが、裾が広がったタイプを履いている人は誰一人見当たりませんでした。私と同年代と思わしき人たちだって、くるぶし丈のボーイフレンドデニムやスキニー、ストレートを履いているのです。
その晩は二次会には行かず、うつむいて帰宅。いくら物持ちが良かろうが、痩せてサイズがピッタリだろうが、裾が広がったジーンズは捨てることにしました。ディーゼルもセブンもアールジーンも全部です。
おしゃれに関して私たちの年代が陥りやすいのは、かっこよく見せたくて、自分が若かった頃に戻ろうとすること。自分がイメージする20代のメイクや服装をしてみても、それは現役の20代とは大違いです。まつ毛のエクステや石原さとみ風のリップを真似たら今風になれるかといえば、周りには昔の流行を追いかけている化石だと思われている可能性が高いのです。
ジーンズに関して、今でもフレアータイプは廃れたわけじゃありませんが、おしゃれに遊び心を取り入れるのが上手な、モデル体型の若い人たちが履けばサマになるだけのこと。私のようなシニアが履くと、ブーツカットじゃなくてベルボトム。バブル期の青春を引きずっている痛いオバさんになります。
気負いなく着られるクロップド丈のジーンズを残して、ちょっとだけ自信のある足首を見せるおしゃれを追求することにしました。自分の年齢にあった「今の服」とは何なのか、鏡を正直に見つめたいと思います。