若かりしころ、お尻にコンプレックスを持っていました。それは高校生のお正月、デパートの下着売り場の店員に、「あなたのヒップは平たくて女らしくない。矯正するべき」と言われたことがショックだったのです。
持っていたお年玉で買ったのはヒップパッド。腰の下につけて、お尻に丸みを持たせる補正下着でした。
でもねぇ、恋人ができるとこんな秘密兵器は恥ずかしくて見せられません。ガードルだって見せられないので、トラウマは捨てて筋トレに精を出すようになりました。
それから数十年、現在のヒップサイズはバストと同じ。相変わらず幅が狭くて色気はありませんが、それを扁平だと悲観しないことにしました。西洋美の「プリケツ」と真逆にある東洋美の「柳腰」だと好解釈し、隙間なくフィットするストレッチ度の優れたパンツを履いています。
ジーンズを含め、このブログに載せているパンツのほとんどはBanana Republic(バナナリパブリック)かTheory(セオリー)のもの。くるぶしが見える丈のストレートで、腰は若干ヒップハングのほうが少年っぽく見えます。
これはバナリパのSloan-Fitスリムアンクルパンツ、サイズ0(日本サイズ)。参考までに私は身長162cm、ヒップ86㎝、股下74cmです。
下のパンツもバナリパのストレートジーンズ、サイズ0(25IN、日本サイズ)。ミディアムウォッシュです。ジーンズはノーストレッチの方が余計なラインが響かないのですが、このタイプは上手にカバーしてくれます。
正装のときは高級ブランドのパンツを履いても、落ち着かなくて早く帰りたくなります。よほどのことがない限り、上がジャケットであろうと9割方はいつもの履き慣れたパンツ。板についてくると、誰も「プチプラでしょ」と指摘する人はいません。
思うに高価な強制グッズを使ってまでして、見た目を変える必要はないのでは? 昔と違って今のお洋服はカッティング技術が向上したので、諦めずに探し続ければ、コンプレックスを解消してくれるシルエットが見つかります。
自分にとってベストのパンツに出会うまでは10年ほど試行錯誤がありましたが、見つけたら浮気しなくなりました。それ以降は似合わないものを断捨離。ひとときの流行に降り回されず、マイスタイルをキープし続けるのが、大人のおしゃれだと思っています。