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歳を隠すのをやめました

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植物性の材料だけで作るヘルシーな和菓子


原稿書きが忙しくなる時期に入った矢先、友人から陣中見舞いが届きました。虎屋のお汁粉詰め合わせ。御膳汁粉、小倉汁粉、白小倉汁粉のパッケージは品が良くて、さすが室町時代後期から創業500年の老舗です。

 

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実は偶然にも前日、虎屋十七代の黒川社長からお話を聞いて感銘をうけたところでした。虎屋が位置付けている和菓子・生菓子の定義とは、「植物性の原材料を使っている菓子」。あんこにバターや生クリームを入れると美味しくなるのは分かっていても、苦しくなるまでまだそこまでは行くまいとして、ヘルシーなお菓子を作ることを頑張ってきたのだそうです。

 

食品添加物や保存料は一切使わずに、あんこの原材料は小豆と砂糖だけ、羊羹は寒天と小豆と砂糖だけ。パッケージを見たお客様が、首を傾げるような材料は使わずに、極力シンプルに作っていると言います。

 

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先代は「和菓子は五感の芸術である」という言葉を残したそうですが、味覚、視覚、嗅覚、触覚(楊枝で切ったり、手で割ったときの感触)と、意外にも聴覚が大きなポイントなんだそうです。

 

 

 

 

聴覚とは和菓子の名前。虎屋でたとえば桜の名前がつく和菓子は70種類もあり、桜が咲き始める頃なら「初桜」「遠桜」。盛りの頃なら、手折って持ち帰りたくなるという意味をこめた「手折桜」。終わりの頃なら、散った花びらが水面に浮かんだ様をあらわす「花筏(はないかだ)」「花筵(はなむしろ)」。日本語の美しい響きを耳に感じながら、天然色素だけで色付けした和菓子を愛でて味わうとは、なんという日本ならではの贅沢でしょう。

 

というわけで友人に貰った御膳汁粉を今日のおやつにしました。半月盆にセッティングしたのは、梅の花の和菓子を模した箸置き。そこまで来ている春を楽しみに、美味しくいただきます。

 

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