一昨日は写真の撮影があって、うだる暑さの中を都内まで出向きました。衣装を2パターン着替えて、アウトドアでの撮影だったのですが、ポーズを取っている最中にカメラマンに言われてドキッとした言葉があります。
「ぶりっ子スマイルはしないでね」
服の着こなしでも姿勢でもなく、表情へのダメ出しだったのです。
この歳でぶりっ子だなんて、しかも死語。後から考えたら私の年齢に合わせてわざと選んだ言葉と気づき、ますます恥ずかしくなりました。
そういえば10年ほど前、初めてプロにプロフィール写真を撮って貰ったときに苦労したことがあります。「ニコッとして」とレンズを向けられると、顔が引きつって唇の端がピクピク。表情が硬い、目が笑ってないと、叱られっぱなしでした。演技指導は効き目がなく最後には匙を投げられ、私も呆然自失だったと思います(泣)
一昨日は写真を一枚ずつ送りながら「これはOK」「これはぶりっ子」と評価され、気付いたことがありました。自分が良いと思っている表情と、他人から見て良い表情とには開きがあること。鏡の前で練習した笑顔はレンズを通すと、保存する価値もない表情だったりするのです。
肩ひじ張らず、自然なのがいちばん。帰りの駅ナカ書店でファッション誌を立ち読みしながら、モデルさんたちがいかにトレーニングを積んでいるかを理解しました。
撮った写真は誓約上、ここにはアップできないのですが、「君は笑うと目がなくなるね」と言われたタレ目の表情が、気に入ってるか否かに関係なく、本当の自分らしい笑顔なんだと思います。
これは行き付けのレストランで、作家のロバート・ハリスさん、マジシャンの前田知洋さん、お世話になってるヨットオーナーと撮った一枚。自然な笑顔から、よほど楽しかったんだなと状況を振り返れる写真です。