ファッション誌の「an.an」「non-no」が創刊された1970年代、高校生だった私は表参道の街を冒険するのが好きでした。お年玉で買ったマキシのコートにフェルトハットをかぶって、電車を乗り継いで出かけて行ったものです。
田舎者丸出しの少女が、ブティックの走りだったBIGIやMILKに入り、業界人たちが集っていたLEONでお茶を飲むなんて、今思えば顔から火がでる自己陶酔ぶりでした。
Chicagoの来日コンサートに行くために、母にせがんで買ってもらったMILKのブラウスは、袖がぷっくりと膨らんだモード系。奇抜すぎてすぐに着なくなりましたが、近ごろ流行している盛り袖を見るたびに、当時の自分を思い出して照れくさくなります。
時代は移り、テレビではM.C.ハマーに乗せて「モリ袖・ヌキ襟」のCMが盛んに流れていますね。でもいくらGU好きのオバサンでも、このお洋服たちはパス。若い人たちにお任せします。
私がプチプラで買うのは、奇をてらわないデザインだけ。パッと見てCMに出ていた「モリ袖」と分かる服は買いません。同じブラウスが電車の中でバッティングして、相手が10代の女の子だった分には、身の置き場がなくなっちゃう。
モード系だろうがガーリー系だろうが、若さで許されるうちは何を着てもいいのです。でも中年を越えれば、コンサバティブな服のほうが、ヌキ襟などしなくても大人の色気を醸しだしてくれます。
だらしなく見えないことが基本。歳をとれば肉がたるんで肌の張りは失われるのですから、首の後ろや背中など、自分じゃ見えないパーツをわざわざ披露するのは無謀です。
だからGUで買うのは「盛っていない」シンプルなもの。フリルやㇾース、キャンディスリーブは買いません。ワイド幅のパラッツォパンツも年増が履けば「はかま」になるので、見て見ぬふりです。
今はまだ発売していませんが、暖かくなったら出てくる定番のニットベストは絶対におススメ。私は値下がりしたときに790円で買いました。今年は色違いを手に入れようと、GUのサイトをチェックしながらタイミングを待っています。私としてはデザインの斬新さじゃなく、発色の良さで買っているブランドです。