去年に増してトレンチコートが爆発的に流行していますね。主流をなしている色はベージュで、スーツ、ワンピ、デニム、とにかく何の上にでもトレンチを着るのがカッコいいみたいです。ユニクロとGUでは売れ筋商品として大プッシュしていますが、値段も生地もかなり違います。
ベーシックな作りのユニクロは、ハリのある生地で撥水加工付き。7,980円で、ベージュは品数が少なくなっているようです。
トレンチならではのパーツを理解してディティールにこだわっているし、流行が過ぎても使えそうです。・・が、何だか中途半端と思うのは私だけ? これならもうちょっとお金を足して、正統派トレンチを買います。
GUは「ボリュームスリーブトレンチ」という名の通り、オーバーサイズです。4,990円なので生地はどうかなと思ったら、軽い素材感が着やすくていいというレビューもあります。袖をギュッと絞るとキャンディスリーブになって、可愛さがアップ。
評価したいのは、ベルトにちゃんとバックルが付いていること。リボン結びにするだけのプチプラが多い中で、べっ甲っぽいバックルにしているのは高見えします。問題は袖の太さで、すぐにデザインが古臭くなるんじゃないかと不安です。
もうひとつ気になったプチプラがあります。ショップリスト(SHOPLIST )で人気商品になっているラズレナ(Luz Llena)のロングトレンチコート。このショップにしては高めで6,481円です。裏地がないのでテロンチって呼んだほうがいいのでしょうか、なめらかそうな生地が女っぽくて、トレンチ特有の堅さがないのが好きです。
丈が長いのはコーデしやすいし、特に後姿が可愛いのですが、一つ減点するとしたらベルトがペラペラでバックルがないこと。プチプラなのがバレちゃいますからね。
そして私はと言うと、クローゼットの奥に吊るしていたMAXMARAのトレンチを、改めて着ることにしました。次の写真で着ているショートトレンチはわざとサイズ大きめを買ったもの。襟の大きさ、袖の太さは今のトレンドに通用します。
もう一着、10万円超えした黒のトレンチは重みがあって、一生使えそうなオーソドックスさ。歳をとってベージュのトレンチが地味に見えるようになったので、これは黒にしておいて良かったと、買った当時の自分を褒めてあげることにしています。
いつもはプチプラが大好きですが、トレンチに関してはなぜか買い物かごに入れる気にならないんですよね。生地と縫製がしっかりしていて、ホテルのクロークに預けるとき恥ずかしくないものを持っていたいと思うのです。
企業努力に拍手したいのは、三陽商会から出ている「100年コート」。バーバリーとのライセンス契約が終了して、一時期は経営危機説が流れましたが、オリジナルのトレンチを発表してバカ売れしているんです。これが普通丈で88,560円。
リバーシブル使用のライナー付き。ボタン付けや、衿付けの内側部分は職人の手作業で行っているんだそうです。
こちらがロング丈で、122,040円。タイトな上半身は肩章が付いていても、肩幅は小さく見えるし、さり気なく広がった裾は足さばきがキレイに見えそう。
ライナーのチェックは、歌舞伎の十八番「勧進帳」の中で、弁慶が着用する翁格子をもとにデザインされたものだそうです。
いろいろ考えて出した結論は、トレンチコートはやっぱり綿100%であるべきってこと。着こむほどにクタッとしてくる味が、たそがれていてイイんです。こればかりはプチプラが食い込める領域じゃないなと思い、目利きの対象であることを再認識しました。