年の瀬は大掃除のシーズン。以前は場所によっていろんな合成洗剤を使い分けていたのですが、CMで宣伝しているほどの効果が感じられなくて、殆ど捨ててしまいました。洗面台脇のごちゃごちゃしていた戸棚がすっきり。今は重曹とクエン酸を使ってお掃除しています。
重曹は弱アルカリ性なので、換気扇やコンロの油汚れ、カップの茶しぶ落とし、手垢がついたグラスを磨くのに使用しています。
一方、クエン酸は酸性なので、水垢や石けん垢を落とすのに使用。キッチンのシンクはもちろん、石けんシャンプーのあとクエン酸リンスをしたときには、残り水を使ってお風呂の床掃除をしています。
でも思うに大切なのは、洗剤の選び方ではなく、汚れを見つけたらすぐ掃除する心がけなんですよね。これを教えてくれたのは、3.11のとき一緒にボランティアに行った女性の先輩です。それは私にとって衝撃的なことでした。
被災地では上下水道が開通していなかったので、市街地のコンビニでトイレをお借りしました(もちろん買い物もして)。でも便器はあまり綺麗とは言えず、私はそそくさと用を足して出てきたのですが、後から入った先輩に「もっと綺麗に使いなさい」とこっぴどく叱られたのです。
最初から汚れていたのを伝えると、そうではないとまたお叱り。どこの誰が汚したかは関係なく、他所さまのトイレをお借りしたら次の人が使いやすいよう、隅々まで清掃して出てくるのがマナーだというのです。
貿易会社を営んでいた彼女の御実家は、毎週末ダンスパーティーが開かれるほどの大富豪だったそうですが、日曜日にはいつもおばあ様に連れられ、バケツと雑巾を持って公園巡りをしていました。
命じられたのは公衆トイレの掃除。床を洗い、便器をピカピカになるまで磨いて、「人が喜ぶことは自分の幸せにつながる」と教えられたそうです。
彼女は後にミス横浜になったほどの美人ですが、心はその数百倍もきれい。3.11では直後に東北に飛んでいき、ボランティア活動の輪に飛び込んで働き、帰りはヒッチハイクで東京まで戻ってきました。
いくらコスメとファッションにお金をかけても、きれいにしたいという心がけが自分にしか向いていないのでは駄目なのですね。心を磨くことが美容の第一歩なのだと教えてくれた先輩に感謝です。