女性の肌をやわらかく、艶っぽく見せる色の王道はキャメルでしょう。ただし難しいのは素材で、これほど質感が分かりやすい色はないと思います。若いうちはアクリル100%のプチプラでも可愛いのですが、大人の女が着るキャメルは、上質の素材じゃないと貧相に見えます。
下のセーターはEPOCA(エポカ)のカシミア100%。かなり胸が開いていますが、キャミソールは着ずに、パールのネックレスで温もりを添えます。前身ごろにフリルがあるので、ボトムはシンプルに紺色のペンシルスカート。抜け感を持たすため、タイツは履かずにヌードカラーのストッキングにしました。
キャメルと相性が良い色は、メリハリがつく白、黒が一般的ですが、私は紺色を合わせます。黒よりもやわらかめな紺のほうが、ソフィストケートされて見えるからです。さらにキャメルを品よく目立たせるために、ツイードの襟なしジャケット、紺のフェルトハットをかぶってみました。
下のジャケットはマックスマーラの新毛100%ウールマーク付き。素材とカッティングに惚れ込んで買った10年前の品です。スリムに見えるよう、バナリパの紺のTシャツに紺のスリムパンツでIラインを作り、一点だけ女性らしく赤のビーズネックレスをしました。
若い方たちならテーラードジャケットにスカンツを履くんでしょうが、おばさんが袴を履いたみたいになりかねないので、あえて流行を避けました。
そしてアウター。キャメルと赤の組み合わせは意外にマッチします。暗い色のコートを着るより、深紅のカシミアの大判ストールをして、あでやかさをプラスします。
大人が着るキャメルの鉄則は、ヘナヘナする生地を買わないこと。本物のパールが引き立つかどうかを見極めて選ぶのが基本だと思います。