古いアルバムを見ていて発見したんですが、幼いころの私はお出かけのとき、いつも同じセーターを着せられていたようです。スカンジナビアン・セーターと言うんでしょうか、雪の結晶の模様が編み込まれた厚手のセーターです。モノクロ写真しかなくて色は分かりませんが、ぼんやりとした記憶では地がベージュで、模様は茶色でした。
しかも小学校に入って、歯が生え変わる歳になってもまだ着ています。貧乏だった我が家で大切にキープされていた一張羅です。
この当時はいつも同じ服を着ていることに何も疑問を抱かなかったのに、しゃれっ気が出る年頃になると、新しい服が欲しくなります。遠足の前や誕生日にはデパートで泣いてせがんで、自分で選んだ似合ってない服が増えていきました。
そして現在の私は頑張って断捨離しても、クローゼットには大量の服がまだ押し込められています。よくファッション雑誌に1か月の着回し術なんていう特集がありますが、ワンシーズンを3か月と見て、毎日取っかえ引っかえコーディネートしても、同じ服装の日がないくらいの服を持っていると思うのです。でもその中で本当のお気に入りは数えるほどしかありません。
もしお出かけ着をワンパターンに絞るとしたら・・・。Theoryの黒の定番パンツはマストアイテムで、シルクのキャミソールの上に、白い上質の綿シャツを着るコーディネートを選ぶと思います。
ボタンは留めずにカシュクール風に着たり、赤いカーディガンを腰に巻いて派手めにしたり、バリエーションなら幾らでも考え付きます。自分に最も似合う服だから毎日だって着たい。一張羅とは、その人の個性が集約したスタイルなんだと考えています。
男性ですが、ダンディズムの代表としてよく雑誌に載っていたある方は、白いシャツを腕まくりして、いつも同じ色のチノパンを履いていました。極めると行きつくファッションって、みんな本当は決まっているのかもしれません。