私は同窓会とかクラス会といった同年代の集まりはあまり好きではありません。昔の友人たちに会えるのは嬉しいですが、年齢とともに変貌した姿にショックを受けてしまうのです・・というか、「人の振り見て我が振り直せ」なんですけどね。
お嬢様学校のOGにありがちなのは、バブル期の「JJ」「25ans」に見られた、若かりし時代のままで服装が止まっている人。ちょうど高級ブランドが大隆盛期でしたので、それさえ持っていれば勝てると、あの当時の感覚で買ったラグジュアリーファッションで固めた方が未だに見受けられるのです。
その手の「若見え」の呪いに取り憑かれた人たちは、周りから見れば「老け見え」している人。笑えちゃうエッセイで新刊を出されたのが、ファッションスタイリストの地曳いく子さんです。『脱「若見え」の呪い“素敵なおばさま"のススメ”』(マガジンハウス)を読んで、あまりに面白かったのでちょっとだけご紹介します。
頑張り過ぎちゃった「若見え」の代表として出てくるのは、自称「エリコ」さん。出資法違反容疑で逮捕されたこの方は、罪状よりも62歳を38歳と偽った若作りのルックスに注目が集まりました。
地曳いく子さん曰く、自称エリコさんの失敗は「若い人と同じ土俵で勝負してしまった」こと。「老け見え」されたくなくて、せっせと「若見え」にお金と手間をかけたことがイタさとなって、ギャップが爆発してしまったというのです。
さらには若見えしたい年齢(人から〇〇歳と見られたい年齢)の設定が、あまりに低すぎたことも原因。ファッションや美容で、若見え年齢の限界は「2割引きの法則」と言って、
自分の年齢 -(自分の年齢 × 0.2)
で、とどめておくのがルールだそうです。
今50歳の人だったら40歳。それが巻き髪で、フサフサのツケマで、ショーパンに厚底サンダルで踊りに行ったらどうでしょう。本人は「ワタシって20代に間違えられるの」とお尻を振っても、若いBOYSから見たら「イタくて下品なBBA」でしかないのです。
もしくは高級ブランド信仰をひきずって、ミスアシダのスーツにヴァンクリーフ&アーペルのネックレス、シャネルのチェーンバッグ、セリーヌのパンプスという格好で同窓会に現れたらどうでしょう。「このあいだ高島屋の外商で買ったのよ~」と高嶺の花になったとしても、ひとたび同窓会の席を離れたら、まもなく平成も終わろうとするZARA、ユニクロ、GU全盛の現代では、昭和の浦島花子BBAになってしまいます。
こんなことを考えつつ、ふと私も昭和を思い出し、昔の写真を引っ張り出しました。たぶん30歳ぐらいかな、友人の披露宴に行ったときの一枚だと思います。
前髪をおろしてソバージュ、太眉、コムデのスーツ、オペルカのシューズ、ゴールドとパールのアクセサリー。この時代のスタイルに戻りたいだなんて、200%思いません。
下の写真は数年前、友人の披露宴で撮ったスナップ。こうした席で目立ちたがるのは若い女の子におまかせして、メイクもヘアスタイルも控えめに、品よく見えることを念頭に置きました。
着ているのは、たぶん80歳になっても大丈夫な synchro crossingsで買ったごくシンプルなワンピースです。もしユニクロで似たようなのがあれば(生地と縫製が良ければですが)、間違いなく安いほうを買っていると思います(笑)。自分に似合っていればプチプラだって全然かまいません。
パーティーウェアについては、前に記事を書きましたので載せておきます。
流行語として私は「高見え」「若見え」という言葉をよく使いますが、「見え」が「見栄」になるのはNG。
最後に地曳さんの本から気に入った部分を引用させていただきます。
いまや、ブランドは“自分”次第。
自分がイイと思ったものは、もう自分のブランドになる。それがエルメスでもいいし、シャネルでもいいし、ノーブランドでもいい。
自分のブランドを確立することが大切なんです。
もっと言えば、“自分”そのものをブランドとして確立すること。
そしてそれこそが「若見え」を脱却して、最新型の“かっこよいおばさま”になる道です。
その通りですね! 私も周りには惑わされず、“自分”でいいなと思ったものをこのサイトに書いていき、かっこよいおばさまを目指そうと思っています。